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絵本「まっくろネリノ」から広がる世界

 子どもの頃、誰が言ったか分からない迷信を信じていました。「夜、笛を吹くと蛇が来る」とか、「3人並んで写真を撮るときに真ん中に立つと魂抜かれて早死にするとか」「黒猫が目の前を横切ったら不吉なことが起こるとか」etc.

 良い迷信はいいとして、悪い迷信。特に黒猫は最大の被害者。かつて、猫好きの母が黒猫を拾って飼っていたことがあります。19歳で天に召されましたが、本当に甘えん坊で人懐こくて愛嬌がある黒猫でした。しかも子どもが大好き。当時幼かった息子もその黒猫が大好きでした。

 それからは街中で黒猫を見掛けると「良いことがあるかも」と勝手に思うようになっていますから、迷信なんてアテになりません。

 ということで、今回紹介する絵本は「まっくろネリノ」です。

 

 

絵本の表紙絵と感想・考察

 

まっくろネリノ (世界の絵本)
表紙画像をClickすると、Amazon絵本詳細ページへ

 

 ぼくの なまえは まっくろネリノ。
 ぼくの かぞくは、とうさんと かあさん。
 それから にいさんが よにん。

絵本「まっくろネリノ」冒頭より

 

 黒い背景に蛍光クレヨンのようなもので描かれた表紙がとても印象的な絵本です。

 お話を読み進めていきましょう。

 ネリノは5人兄弟の末っ子です。お兄さんたちは紫、赤、緑、黄色といったカラフルな色をしています。お父さんもお母さんもきれいな色をしていて、真っ黒なのはネリノだけ。

 お父さんもお母さんも餌探しに忙しい毎日。ネリノはお兄さんたちと一緒に遊びたと思うのですが、4人のお兄さんたちは「真っ黒だからダメ」といって、ネリノとあまり遊んでくれません。だから、ネリノはいつも一人ぼっち…。

 「どうして僕だけが真っ黒なんだろう?」という疑問を抱くネリノ。理由が知りたくて、お花に聞いてみたり、薬を飲んだらいいのかな…と、いろいろ考えたりします。ところがある日、お兄さんたちがいなくなってしまい一一一。

 かつて、読み聞かせボランティアに参加しているとき、夏のお話会でこの「まっくろネリノ」をブラックパネルシアターで上演。部屋を暗くして、ブラックライトを当てると、蛍光塗料がブラックライトに反応。

 絵が浮き出てきて、なんとも幻想的でした。幼児、小学生向けに二度上演しましたが、子どもたちも静かにお話に聞き入っていました。

 その時の記憶が蘇りましたが、このお話はとても奥が深いです。どう深いかは、絵本でお話を最後まで読んでいただければと思います。難しい内容ではないので、小さい子どもたちも楽しめますよ。

 ぜひ読んでくださいね。

 

  • まっくろネリノ
  • 原題 DER KLEINE NERINO
  • ヘルガ・ガルラー  作絵
  • やがわすみこ  訳
  • 偕成社
  • 1973年7月発刊(原書は1968年発刊)
  • 対象→ 4歳から
  • 季節→ いつでも 

 

作者の他の作品紹介

 Amazonや絵本ナビ等作者のヘルガ・ガルラーの別の作品を調べてみましたが、まったくといっていいほどヒットしません。

 そこで、絵本の巻末の作者の経歴を読んでみることにしました。以下引用します。

 

 この絵本をかいたヘルガ・ガルラーさんは、1939年オーストラリアのウィーンに生まれた、たいへんきれいなおねえさんです。本職はデザイナーで、美術工芸学校を出たあと、イタリアで暮らしたりアメリカへ渡ったりして、織物や室内装飾や映画のアニメーションの仕事などに幅広く活躍しています。

 「まっくろネリノ」は、1968年にかかれた、ガルラーさんのはじめての絵本で、その年のオーストリアの子供の絵本の最優秀賞にえらばれました。

絵本「まっくろネリノ」巻末「作者の紹介」より

 

 ここには、その後の作品の紹介もありました。ただ、残念なことに詳細はわかりませんでした。

  • 「二人の星どろぼう」
  • 「銀の王子さま」
  • 「にこにこちゃんといやいやちゃん」

 

 また、1967年に公開された映画「カジノ・ロワイヤル」のタイトルバックをヘルガ・ガルラーが担当してそうです。かなりオシャレです。

 

 余談ですが、この作品のジェームズ・ボンドショーン・コネリーではなく、デヴィット・ニーヴン。大人の事情でショーン・コネリーが出演しなくなったことから、内容そのものをシリアスなスパイ映画から、スパイ映画を茶化した壮大なパロディ映画に変更。

 当時のショーン・コネリーは37歳。対するデヴィット・ニーヴンは57歳。年老いたジェームズ・ボンドとなりました。正式な007作品としての位置付けはされなかったようですが、当時はかなりヒットしたようです。

 また、その39年後、正式な007映画として「カジノ・ロワイヤル」(ダニエル・グレイグ主演)が公開されるわけですから、人生どうなるかわかりません。こちらのクレジットも負けてはいません。オシャレです。

 

おまけ

 そういえば、赤、青、黄の三原色がありますよね? 色の三原色の赤、青、黄を混ぜると黒になりますが、光の三原色の赤、青、黄を混ぜるとなんと白になるんです。

 

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